完走しました。
じつは、もっと時間がかかるものと思っていました。
でも、歌ができるときはほんとに一瞬だったこともありました。
何か目的がないと作れないということもわたしの場合あるかもしれません。
そんな場所に巡り合ったことはとても良かったです。
どうもありがとうございました。
001:おはよう
太陽の昇らない街くりかえす届く事ないおはようの声
002:次
この次も当たりは出ないと知りながら回し続ける福引きのガラガラ
003:理由
引き止めるための理由をあれこれと考えている梅の季節だ
004:塩
塩分が足りないからだ目の前をするりと抜ける掴めないのは
005:放
放射状に広がる道の真ん中に何処でもゆけて動かない足
006:ドラマ
そんなドラマするって語るくちびるそれが現実ドラマはきらい
007:壁
感情のいたずら書きを悠揚に許してくれる白壁をさがす
008:守
貪欲を糧にして突き進む人 守ってまもっても終わらない攻撃
009:会話
やがて会話は冷え切るようにわたしから体温を奪ってゆくのだ
010:蝶
ころがって芋虫みたい転がって蝶にちょうになりたい一縷の望み
011:除
ありでしょう嫌な女の存在も取り除かれるアイテムとして
012:ダイヤ
あけがたのダイヤみだれは現実の嫌な女の決断のせい
013:優
あなたから別に優れた遺伝子も欲しがらないし偽善者でいい
014:泉
ゆっくりと涸れてゆく泉のように回りから消えてゆくいろいろなあなた
015:アジア
夜中発アラスカ経由の飛行機でさよらなを言うアジアの小国
016:%
たとえ0.001%ののぞみでもないよりはましいきているから
017:頭
負のメモリ頭のなかで摘んではつまんではゴミ箱に空にしますか
018:集
それはただあなたという集合体に混ざることない異分子でした
019:豆腐
豆腐の角に頭ぶつけましたぶつけました真っ白になってゆきます
020:鳩
豆鉄砲撃って下さい驚く顔をさせて下さいわたし鳩みたいに飛ぶ
021:サッカー
あなたとはサッカー場の端とはじ強く蹴っても届かないもの
022:低
あがこうとすればするほど圧力が いつまでも低姿勢でいる
023:用紙
真っ白な画用紙に描く黒い絵の具振り絞って ふりきって
024:岸
対岸にいると言うことはこの河が越せない何物でもない事
025:あられ
あられもない姿でいいです、時が、ときが、あなたが止まるのであれば
026:基
立ち回るための基準でしょ (上手に) そんな物、そんな者、いらない
027:消毒
からだじゅう消毒してしょうどくして何もかわらない、匂い むせかえる
028:供
自供などするつもりない あの事はわたしと一緒に葬りさるのだ
029:杖
魔法使いの杖が振られて一瞬に素敵なわたしになる わけない
030:湯気
コーヒーの湯気は消え去り生ぬるい液体としてのわたしが在った
031:忍
廃屋に忍びこみひとり凍えるように春のあらしを避けて
032:ルージュ
いまわたし必要のない感情と共に真っ赤なルージュを拭う
033:すいか
すいか、すいか、ぶつけてヒットエンドラン 痛がるから逃げる
034:岡
ほんの少し疲れました藤岡弘探検隊に参加して遭難します
035:過去
忘れたい忘れるとき忘れました忘れればいいそんな過去など
036:船
船底に栓があること知りました抜いちゃえばいい簡単に ポン
037:V
Vサインなんて子供のやることだから最期のさいごに一度っきり
038:有
どこまでも有意義であることは大切です そんなもん捨て去る
039:王子
八王子ひとりの街になりました引越し先はまだきめてません
040:粘
粘液の0.001ミリリットルが愛だとしても多いくらいだ
041:存在
存在をかくして後をつけることの楽しみということの哀れみ
042:鱗
拒否というわが身のせいであらわれた鱗の肌に涙をおとす
043:宝くじ
あたらないはずだがおばさんが気さくな売り場で買う宝くじ
044:鈴
鈴を、すずを鳴らそうトナカイの鈴 季節外れのクリマスソング
045:楽譜
ここに春の楽譜がみえています閉じ込める為のクリアファイルを
046:設
もう何だかわかんない設備たちに囲まれて地下10階に眠り込む
047:ひまわり
太陽に熱風にさようならを消えてゆく感情にひまわりの散る時
048:凧
連凧のようにつながって飛ぶんだって思った 風は弱まる
049:礼
礼儀として送られた物なので礼儀知らずに捨ててしまう
050:確率
偶然の確率とはよく言ったものだ 綿密な計画の必然
051:熊
うでをなくし、あしをなくし、めをなくし、忘れられたぬいぐるみの熊みたく
052:考
考えることで好転する(何が)なんてかんがえていて(ばかだ)さみしい
053:キヨスク
毎朝の存在確認 ひっそりとキヨスクでかう都こんぶは
054:笛
犬笛のひびきをたぶん君は聞く わたしではない誰かの響き
055:乾燥
真夜中の乾燥機ほどけんめいに働くなんてわたしできない
056:悩
たいはんはくだらない悩み 君の街に雨が降るのを待って
057:パジャマ
脱ぎ捨てたパジャマのくしゃくしゃありえない安眠と決別した
058:帽
目線から見える世界を拒絶してまぶかにかぶるニット帽
059:ごはん
朝ごはん食べないからだ毎日がまいにちが同じように流れる
060:郎
一郎から九郎までと産みつくし野球チームのオーナーになる
061:@
anata@wasurerarenai.com宛のメールが戻ってきます
062:浅
どこまでもつづく遠浅エメラルドグリーンの海 もすこし生きる
063:スリッパ
時間だけずんずん流れのこされた青いスリッパを抱いて眠る
064:可憐
たぶんひとつの幻想としていつまでも可憐な花は絶壁に咲く
065:眩
閉ざされた空間をこじ開ける君の光にふれる とても目眩
066:ひとりごと
本当はとても優しい鰐だからひとりごとたくさん聞いてくれる
067:葱
たいはんが嘘だとわかる夕暮れにあきらめて長葱を刻む
068:踊
しかたないとても華奢な手すりを持つ階段の踊場でおどる
069:呼吸
呼吸する仔猫は自然にふるまって見つめる私はとても苦しい
070:籍
入籍を知らせる手紙 砕いてもしょうがないよねガラスの指輪
071:メール
身勝手な嘘ばかり書いてあるメールにスパムフィルターを適用する
072:緑
公園で日光浴する恋人たちの腹んなかはきっときっと緑だ
073:寄
知りたいことがたくさんあって本当を知ってそうな大木に寄り添う
074:銀行
午後3時いっせいにシャッターを下ろす銀行のようにわたしを拒む
075:量
暗闇を抜け出たときの光ある秤手にしてめまい量をはかる
076:ジャンプ
いまならばラージヒルからジャンプして転倒しても痛くないかも
077:横
なにげなく横にいるのに慣れたから横にいないとなにか寂しい
078:合図
それはたぶんブロックサインで複雑で判らなかった合図なんです
079:児
まるまって胎児のように羊水の中になかに わたしに無心下さい
080:Lサイズ
Lサイズ大きすぎてるTシャツは着れそうだけどやっぱり着ない
081:嵐
頑丈な雨戸をおろし真っ暗な部屋で嵐が去るのを待つ
082:研
夕刻のにぶい光のあつまりを蹴散らすようにシンクを研く
083:名古屋
あなたとのねじれ構図をみるように名古屋の街に建つスパイラルビル
084:球
それはとても優しげな青い球体でうごめく虫たちが食い散らかす
085:うがい
この口が吐き出す言葉の責任をとらされるようにうがいをする
086:恵
頬つたう涙をかくすこの雨はわたしの恵みになるのでしょうか
087:天使
「戦場まで」後部座席に乗り込んだ天使は告げる深夜タクシー
088:錯
見上げれば真夜中の空に真っ青な月は永遠の錯覚であり
089:減
減衰線にふれる指先に伝わる夏の終わり宣言する震え
090:メダル
金メッキ剥げたメダルを手にして完璧を装う人に投げる
091:渇
つまらない喉の渇きを潤す為に100万本のコーラを買う
092:生い立ち
ええ、何も語るべき事のない生い立ちです 地味に暮らす
093:周
引力のちょっとした誤算あなたをめぐる周回軌道から外れる
094:沈黙
その次の言葉をさがしあてるまでの沈黙は永遠のように続き
095:しっぽ
すこしだけ優しいことばかけられてしっぽ振ります でも振ります
096:複
複雑にしようとしたつもりなどないことがよけい複雑にさせて
097:訴
真夜中は緩みはじめた蛇口からぽたぽたぽた哀訴する雫
098:地下
地下鉄は役目をおえてひっそりと夕日のおちる公園に在る
099:勇
ここにいる私の価値を知るために全ての勇気を炎にかざす
100:おやすみ
おやすみを静かに告げる街角に飛び立つための羽根があること
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西原まことさんの歌
題詠blog2008を走り終えた方々の歌からお気に入りを選んでいます。
西原まことさんの百首歌の中からお気に入りを七首選んでみました。
☆マークを付けた歌がいちばんのお気に入りです。
005:放
放射状に広がる道の真ん中に何処でもゆけて動かない足
007:壁
... //麦太朗の題詠短歌 2008/06/15 16:36
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